思い出書いておくブログ

なんの取り柄もない33歳のブログ

世の中を凌ぐ(11)【こーちゃん】

世の中にはお金持ちがいる。


自分の家とは全然違う生活がある。

 

このことを知ったのは小学3年生になってからだ。

僕はボロいマンションに住んでいた。
(それはこのシリーズの前半に書いてあるから見てね)

道路を挟んだ目の前に、マンションの敷地よりもでかいお屋敷があった。
例えると、サッカーコート10面分くらい?
とりあえずめちゃくちゃデカい家があった。

そこにこーちゃんが住んでいたのだ。
こーちゃんと遊んだ最初の記憶は、学校で住んでいる地区ごとに集められて
交通安全教室か何かをした時だ。

その時僕は小3こーちゃんは小4だった。
なぜか意気投合し、その日にこーちゃんの家に遊びに行くことになった。

こーちゃんはみんながランドセルを背負っているのに一人だけリュックや
エストポーチで学校に来てた。
子供ながらに「かっこいいな」と思った。

何となくうちの家の前の屋敷に住んでいることは知っていたが、
めちゃくちゃデカい屋敷には高い塀があり中がどうなっているのかは知らなかった。
その塀がぐるっと敷地を1周しているのだ。本当に城壁みたいだった。
とりあえずめちゃくちゃデカい。

 

イメージでいうと、江戸時代のお屋敷みたいな感じ。

 

敷地の中に入ると度肝を抜かれた。
まずデカい池に橋が架かっている。
あと森がある。
家が3つある。
車がたくさんある。


この時に、こーちゃんは住む世界が違う人間だと認識した。

そして家の中に入ると、
優しそうなおばちゃんがいた。
その人はお手伝いさんらしい。

昔、僕の家にもいたらしいが既にそんな記憶もないので、
こーちゃんはちびまる子ちゃんでいう花輪くんという認識になった。

 

広いリビングで当時の僕の家の5倍くらいの大きさのテレビで一緒にゲームをした。
すると、きれいな人がツボみたいな入れ物に入っているジュースとケーキをもって来た。どうやらお母さんのようだ。なんか、ドレスみたいな洋服を着ていた気がする。

 

こんな世界が目の前のお屋敷では広がっていることを初めて知った。

 

ただ、一つ伝えておきたいのがこーちゃんはめちゃくちゃいい先輩だった。
僕は4年生になるとサッカー部に入り、5年生のこーちゃんとさらに仲良くなった。
登下校も一緒だった。そして途中から公文式にも一緒に通った。

こーちゃんは頭もよくて運動神経も抜群でカッコよくて、無茶をするタイプだった。こーちゃんはよく僕の家にも遊びに来た。

こーちゃんの家と生活レベルが全然違ったけど、何も気にすることも無く普通に僕の家に遊びにきてゲームしたり漫画を読んだり、昼飯を食べたりした。

なんか、お金持ちぶる感じが全くなかった。

のちに知ったのだけれど、当時僕が住んでいたマンションはこーちゃんの家の持ち物だったらしい。

大家の子供と普通に仲良く遊んでいたという事だ。

 

最終的にサッカー部でも僕とこーちゃんの2トップでFWをしていた。
足が速いこーちゃんにいつもラストパスを送っていた関係だった。
スパイクもウェアもこーちゃんの真似をしていた。
朝は学校も一緒に行き、部活の行きかえりも一緒に帰ることが多く、一緒に公文式に行くことも多い2年間になった。(こーちゃんは一個上だったから)

 

こーちゃんには、駄菓子屋での遊び方、公文でのカンニングの仕方、面白い漫画、サッカーでの技、秘密基地の作り方、カードゲームの仕方や学校でのバレない早退の仕方や置き勉の仕方など色々教えてくれた。
ものすごくかっこいい兄ちゃんみたいな感じだった。

 

こうちゃんは小学校を卒業して、電車に乗って通学するような私立の中学校に行った。
凄く寂しかった。

 

氏家小学校を卒業したらほぼ100%でみんな氏家中学校に行く。
でもこーちゃんは有名な私立の中学校に行ってしまった。
僕が小6でこーちゃんが中1の時に1回か2回は遊んだような気がする。

その時、こーちゃんはサッカー部ではなくなぜか野球部に入っていた。
それもすごくなぜか寂しかった。

 

それから、会う機会も遊ぶ機会もなくなった。
別に喧嘩もしてもないのに、たまにあっても声を掛け合うこともなくなっていった。
そして僕が中2の時に鹿児島に引っ越してしまってから会ってもない。

 

きっと栃木で社長やっているんだろうなぁ。

 

僕は当時もしかしたら貧しい方の部類の家庭だったかもしれない。
でもお金持ちに対して悪いイメージが全くない。
多分こーちゃんのおかげだ。

 

こーちゃんはいつも僕に優しかった。
駄菓子屋でお菓子を買うときも3つとか2つ入っている駄菓子なんかだと
必ず「これやるよ」ってくれた。

こーちゃんの家に遊びに行ってメロンとかが出てくると必ず大きい方をくれた。
それが僕はすごくうれしかったし、先輩ってそうなんだぁと教えてもらった。

今ならわかる。

 

こーちゃんは生まれながら「ギバー」の教育を受けていたのだと思う。

 

今思うことは、お金持ちの方がいい教育やいい価値観を持てる人が多いと思う。

人は余裕がないと与えることができないし、学ぶこともできない。

こーちゃん元気かなぁ。

 

 
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