世の中を凌ぐ(22)【歳の離れた姉】
僕は子供の時は4人家族だった。
父、母、姉で暮らしていた。
今日は姉の話でもしておこうと思う。
姉とは歳が14歳離れている。
結構な差だ。そうすると他の親より母さんの年齢が高いのが嫌だった。
僕は小学生くらいから繊細な心の持ち主だった。
中学生くらいまで見た目はやんちゃそうで目立ちたがり屋で活発だけど、心の底は恥ずかしがり屋でみんなと一緒じゃないと怖いタイプだった。
だから、授業参観の時他の子達に「源太の母さん年寄りだな」って思われそうで怖かった。
今思えば、しょうもない。
母すまん!って感じだけど。
だから、一度姉に授業参観に来てもらったことがある。素直に嬉しかったし、担任の先生が男で若かったのと仲良かったから「お前の姉ちゃん綺麗だな」と言われて誇らしげだった。
そんな姉は、保育士だった。
14も歳が離れていると、面白いことが起こる。
僕が幼稚園の年長くらいに短大生の実習生として姉がくる。これもそこそこ誇らしかった。
流石にクラスは違うけど、姉が自分の幼稚園にいる。だけど、幼稚園で一緒に遊んだとかの記憶はない。
ただ、唯一覚えているのが、
姉が実習の幼稚園の、概要を説明されているときにうちの幼稚園のブラックリスト(要注意園児)の先頭に僕の名前があったようだ。とても気まずかったらしい。
姉、当時は恥ずかしい思いをさせてすまん。
そんな、保育士の姉には結構可愛がってもらった記憶がある。姉が短大生の時(僕が幼稚園)は、よく姉の車に乗ってマックを買って公園で一緒に食べたりしていた。
他にも姉の彼氏(今の旦那)と出かけたりもよくしていた。他にもドラえもんやジブリもよく映画館に見に行った。あと、なぜか踊る大捜査線を見た思い出が強く残っている。
ちなみに、僕の中学校の初デートも映画だった気がする。今の嫁。
そんで、最近独立してからまたちょこちょこ1人で映画館に行くようになった。映画館には縁があるのかもしれない。もしかするとパワースポットなのか?
姉との思い出は他にもある。
小学校低学年になって姉が幼稚園の先生になってからもよく一緒に出かけていた。なぜか姉の女友達と一緒にピクニック的なことや海にも行った気がする。あとは、誕生日やクリスマスにはいつもプレゼントを貰っていた。
今思えば、当時からよくできた姉だ。
僕が物心ついた時には、ウチはすでに裕福な家系では無かった。
昔はお金持ちだったようだけど。
姉は、短大に通いながらモスバーガーでバイトをしてお金を貯めていた。
そのお金で大学の学費を払っていたらしい。そのお金で車も買ったらしい。
そのお金で、僕を映画に連れて行ってくれたり、遊びに連れて行ってくれたらしい。
よくできた姉だ。
今は、大学生の時に付き合っていた人と結婚して、3人の子供がいる。
一番上の男の子は大学生、次男は高校1年生、長女は中学2年生。
さすがにそれだけの子供がいるとお金がかかるだろう。
今は、なんかNPOの児童保護施設?的なところでパートで働いている。
家事に仕事に忙しくしているけど、休みの日は子供のサッカーの応援に行ったりしているのを見ていた僕は、
「自分の人生は楽しいのかな?」
「子供の人生が自分の人生なのかな?」
「確かに子供は幸せだろうけど自分はどうなのかな?」
と思っていた。
だけど、なんとなくそれも素晴らしい人生なんだろうと感じてきた。
ただ、あの時と共通している思いは
「家族が幸せなら自分も幸せ」
の考え方ではなく
「俺が幸せだから家族も幸せ」
の順番がいいなと思っているもうすぐ34歳の僕はまだまだ子供なのだろう。
僕が結婚してからも、妻とよく遊びに行ったり、BBQしたりしたのは僕と妻のいい思い出だ。僕も福岡で独立したりしてここ1年バタバタしていて子供も会わせていない。
とりあえず、今年中には一度くらい遊びに行けたらいいな。
このブログを書いて、
改めて、よくできた姉だなぁと思う。
自分にできない生き方をしている人はすごい。