思い出書いておくブログ

なんの取り柄もない33歳のブログ

世の中を凌ぐ(9)【2019年12月24日】

確か2019年の年末に鹿児島は雪が降らなかった。
いつも年末になると、空がどんよりとしていて、寒くて物悲しいようなイメージがあったが去年の年末はそんなイメージが全くない。

多分、いい思い出があるからだと思う。

 

 

2019年12月23日

この日が出産予定日で妻と僕は昼過ぎから病院にいた。
前回のブログでも書いたが、「無痛分娩」だった。

色々と面白いエピソードはあったが着々と出産に近づいている。
妻の家族が19時ぐらいには病室にきて、出産の準備万端だった。

 

さすが無痛分娩。妻は最初は陣痛を痛がっていたが
麻酔を懇願して、麻酔を点滴で投与されてからは全く痛みがなく
ベットに横になりながらみんなで談笑していた。

しかし、思いのほか子宮が広がっていないらしい。
23日が出産予定日だったが明日に持ち越すことになった。
ここで、妻の家族は一時帰宅した。

妻は普段通りで体調も安定していた。
また2人で話をしたり、動画を見たりしていた。
そして妻は「眠いから寝る」と言って少し仮眠をとっていた。

僕は、不思議な気持ちだった。


いつもと同じ光景だけど明日には自分の息子が生まれている。

 

全く実感がない。
ただ、健康で生まれてきてほしい。そのことだけは強く願っていた。

 

2019年12月24日

 

朝方3~4時ごろ、妻の陣痛が始まった。
看護婦さんたちが、赤ちゃん少し苦しいから何とか、かんとか言っている。
そういう不安になるようなことは言わないでほしい。
急いでそれぞれの親に連絡した。

さすが無痛分娩。そこまで妻は苦しそうではない。

 

5時ごろ、なんか病室があわただしくなってきている。
妻の妹が到着した。
とうとう出産が始まる。

妻の要望で、出産の瞬間を目撃してほしくないらしく
目の前にパーテーションが置かれた。
1~2m先で新たな命が妻の股から出てくる。
きっとその姿と目撃してほしくないのだと思った。

自分もどうしても新たな命の誕生の瞬間を目撃したい!
という強い思いはなかったので、妻が出産しやすいようにすればいいと思っていた。

 

出産が始まったが、ドラマのような壮絶な感じでもなく、
ちょこちょこ「思ったほど痛くない」という声が聞こえてきた。

意外とパーテーション越しに会話はできている。

 

義妹は2018年に出産しているのだが、出産の瞬間に立ち会いたかったらしく
妻の出産の瞬間を目の前で観察していた。
そんなこんな、特別緊迫していない状況で出産が始まった。
6時過ぎに妻の両親も到着した。僕の母は多分家で寝ていたと思う。

 

出産が始まって2時間くらい経過したのだろうか、主治医や看護師さんたちが
少しそわそわし始めているような気がしてきた。
そんなことで僕はかなり不安になった。
昔から、自分事ではストレスや不安はないが自分の力ではどうすることも出来ないことへの不安は得意ではない。

 

義妹から「髪の毛が見えてきてるよー!」
と姉への激励が聞こえてきた。
妻も、痛みはそこまでなさそうだが麻酔のせいか いきみが弱いらしく中々
赤ちゃんが出てこないらしい。


すると、義妹がちょこちょこパーテーションから戻ってきていて
それもとてつもない不安になった。
しかし、母に

「ちょっと立ち眩みがするからソファーで横になる。」
という言葉を聞いた瞬間に、きっと股から赤ちゃんが出てくる映像が
結構衝撃的だったのだろうと予測がつき少し安心した。

かれこれ2時間くらいが立ち、分娩室がまた慌ただしくなってきた。
「赤ちゃん苦しそう」とか「体勢がきつそう」とか聞こえてくる。
なんか取り出すはさみ?トング?みたいなものまで出てきた。

「おかあさん、がんばってー」「もうすぐ生まれるよー」
と看護師さんから聞こえてくる。

 

主治医のおじいさんは
無痛分娩だから、なんちゃらかんちゃらとブツブツ言っている。
きっとこのおじいさんは無痛分娩の否定派なんだと思った。
別に否定派なのは構わないけどそれを態度で出すなよと強く思った。
だって、不安になるから。

 

自分なりに、出産の前に
仁(あの大沢たかお綾瀬はるかのドラマ)や
コウノトリ1・2や

ブラックジャックに宜しくなどで出産の予習をしていた。
そのなかでもコウノトリ先生が大好きで、

「赤ちゃんでるよー!!!!!!!」

でいつも感動していた。

 

おじいちゃんが「頭引っ張り上げるから、もっと力んで!」

って感じで、看護師さんが「赤ちゃん生まれるよー」
(この時には、義妹はパーテーション内でスタンバイ)
「生まれたよー!!!!」

 

って、言われて。
1秒、2秒くらいたっても
パーテーション越しには鳴き声が聞こえなくて、
「えっ。」ってドキドキして

3秒、4秒、5秒

経っても鳴き声が聞こえてこない。。。

 

パーテーション越しだからよく分からない。
ものすごく不安になったのを今でも覚えてる。

 

どうにも不安でパーテーションをどかそうと思った時に
「おぎゃぁー」って聞こえてきて
ものすごく安心していることを覚えてる。


この時の時間は今までで一番長く感じた10数秒だった。

 

この時はみーんな笑顔。

 

一応、手足があるか、指はちゃんとあるかはこっそり目視で数えていた笑

2019年(令和元年)12月24日 07時30分ごろ

小野凌世  誕生

 

意外と生まれた時間とか忘れそうだから残しておきます。

世の中を凌ぐ男になってくれるといいな。

 

 

 

 

なぜ、今回これを書こうと思ったかは妻の要望でした。
その妻が1番記憶に残したかったことが

 

「無痛分娩はマジで痛くない!マジ最強」

 

ってことらしいです笑

こういうことも忘れたくないので忘れないうちに書き残しておこうと思います。

 

 

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