思い出書いておくブログ

なんの取り柄もない33歳のブログ

世の中を凌ぐ(13)【白の長袖ポロシャツ】

今日から8月だ。
うだるように暑い福岡に今僕はいる。

福岡に来て早くも3か月が過ぎた。

 

単身赴任で1人でいることが増えると、色々と考えることも増える。
1人だからわかることも多い。

 

そういった中で気づいたことも多い。

 

人は人の目を気にしすぎる。

 

これで色々なことが制限されているのではないかと感じる。

そんなことを考えていたら、小学4年生の頃を思い出した。


僕はサッカー部に入部して毎日サッカーをしていた。

 

部活は小4から入部できるから、一番下っ端の学年だった。
小4と小6の2歳の年齢は圧倒的だ。

基本、ビビりタイプの僕だったが優しい先輩たちに囲まれ毎日楽しく

サッカーをしていた。当時は人と違うことをすることが怖くて仕方なかった。
みんなと同じじゃないと安心できなかった。
なぜそのよう思考になったのかは思い出せない。

 

多くの先輩が持っている、飲み物のボトルや、練習着、ウインドブレーカー、ベンチコートなどをマネしていた。

 

そんな時、事件が起こった。

きっと12月とか1月頃だったと思う。
僕がいた栃木県はそこそこ寒かった。

 

その日は氏家小学校で10時から練習試合の予定だった。
すると朝の8時頃に自宅の電話にサッカー部の連絡網が回ってきた。
「今日は寒いから長袖の白のインナーも持参してください」
という内容だった。
当時、2枚の半袖のユニフォームがチームであった。


青と黄色の縦じまのかっこいい1番手ユニフォーム
白のどこにでもある2番手のユニフォーム

 

僕は1番手のユニフォームのインナーのかっこいい長袖は持っていた。
しかし、2番手の白のユニフォームのインナーは持っていなかった。

 

パニックになった。

 

まだ試合まで時間はあるから白のインナーを買いに行こうと母に提案した。

しかし、母
母「青のインナー持ってけばいいじゃない」

それはまずい。みんな白の長袖なのに僕だけ青のインナーでは目立ちすぎる!
みんなの視線が刺さる。怖い。という感情で心はいっぱいだ。

 

僕「青じゃいやだ!白持ってないから白が欲しい」
母「あんまり白のユニフォーム着ないから白インナーいらないでしょ」
僕「欲しい!」
(まさか、みんなと違うから恥ずかしいから欲しいとは恥ずかしくて言えない)

母「これでいいじゃない?」

と言って持ってきたのが

白の襟付きの長袖ポロシャツだった。
確かに白い長そでではある。
しかし、襟があり、ボタンもついているし、生地も厚い。
こんなの来て試合出たら、もっとみんなの視線が刺さる!


僕「それは絶対にないだろう!」

 

母 キレる。

僕 泣き出す。

母がだんだん分かってきて、一人だけ違う格好が恥ずかしいから駄々こねていることを察する。

 

母「突然だから、白のインナー持ってない子も多いから恥ずかしくないと思うよ。」
僕「白のインナー無いなら行かない!」渾身の駄々っ子。

母ブチギレ。

 

監督に電話をかけ始め、

「おはようございます~。源太が白のインナーを持っていないから恥ずかしくて試合に出れないと言っているので休みます。」

 

源太号泣。

 

母「監督が長袖着なくてもいいし、白じゃなくてもいいって言ってるよ」
源太、さらに号泣。

 

自分がそんなダサいことを言っていて監督に知られて、チームにも言いふらされてとんでもない辱めに遭うことを想像してさらに号泣。

 

母「申し訳ございません。泣いてばかりいるので今日はお休みします」

 

源太大号泣。

僕「こんなダサい白のポロシャツなんてユニフォームの下に着れない!」

 

あきれた母、小学校の試合の観戦に行く。
僕自宅待機。
結局その日は勇気も出ず大好きなサッカーの練習試合に行けなかった。

母が夕方かえって来ると、
「なんで来なかった?」と聞かれても何も答えられなかった。
自分がそんなことでサッカーの試合を休んだことの方がもう恥ずかしかった。

 

そんな中、母が絶望的な言葉を言った。

「半分以上は白のインナー持ってきてなかったよ。青インナーの子もいたし半袖でプレーしている子もいた、カブちゃんは白の私服の長袖をインナーにしていたのに、あんたはそんなこと気にして試合に来なかったのね」

 

源太大号泣。

 

僕はこんな小学生だった。

みんなと違うことが怖くて怖くて仕方なかった。

 

結局そんなことが理由で試合に行かないっていう行為が
一番みんなと違うし恥ずかしい事なんだと知った。

 

そんな小学生だった。